Unity Catalogは、Databricksが提供するアカウントレベルの統合データガバナンスレイヤーです。 テーブル・ビュー・関数・MLモデル・ファイル(Volumes)といったすべてのデータアセットに対し、 複数ワークスペースを横断した一元的なアクセス制御・監査ログ・データリネージを実現します。 従来のHive Metastoreではワークスペースごとに分断されていたメタデータ管理を、catalog.schema.table の3レベル名前空間で統一し、 SQL標準のGRANT/REVOKEによる権限管理をワークスペース横断で一元化しました。
この記事では、Unity Catalogの階層構造・権限モデル・External Location・OpenSharing(旧Delta Sharing)連携・Hive Metastoreとの違いまでを網羅的に解説します。Data Engineer Associate(DEA)試験のGovernance and Securityセクション(出題比率15%)を中心に、認定試験で問われるポイントもあわせて整理しています。
Unity Catalogは、Metastoreを頂点とする4階層のオブジェクトモデルを採用しています。すべてのデータアセットはこの階層ツリーに配置され、CatalogやSchemaに付与した権限は配下へ継承されます(Metastoreに付与した権限は、READ METADATAを除いて配下に継承されません)。
Metastore(リージョンごとに1つ)
├── Catalog: production
│ ├── Schema: sales
│ │ ├── Table: orders
│ │ ├── Table: customers
│ │ ├── View: daily_summary
│ │ └── Function: calc_tax()
│ ├── Schema: marketing
│ │ ├── Table: campaigns
│ │ └── Volume: raw_files
│ └── Schema: information_schema(自動生成)
├── Catalog: development
│ └── Schema: sandbox
│ └── Table: test_orders
├── External Location: s3://data-lake/external/
└── Storage Credential: aws_s3_roleデータアセットを参照するときは、常に catalog.schema.object の3レベル名前空間を使います。これにより「どの環境の、どのドメインの、どのテーブルか」が名前だけで一意に特定できます。
-- 3レベル名前空間でのアクセス
SELECT * FROM production.sales.orders;
-- ^^^^^^^^^^ ^^^^^ ^^^^^^
-- Catalog Schema Table
-- デフォルトのCatalog/Schemaを設定
USE CATALOG production;
USE SCHEMA sales;
-- 上記の設定後は短縮形でアクセス可能
SELECT * FROM orders;| レベル | 説明 | 設計パターン例 |
|---|---|---|
| Metastore | Unity Catalogの最上位コンテナ。1リージョンに1つ作成し、複数ワークスペースに紐づける | ap-northeast-1(東京)用に1つ作成 |
| Catalog | データアセットの最上位論理グループ。環境・部門・プロジェクト単位で分離 | production / development / staging、finance / marketing |
| Schema | テーブルやビューのグルーピング。ドメインやデータレイヤー単位で整理 | sales / hr / logs、bronze / silver / gold |
| Table / View / Function / Volume | 実際のデータアセット。テーブルとボリュームにはマネージドと外部がある | orders(Managed)、external_logs(External)、calc_tax()(UDF) |
Unity Catalogでデータアセットを格納するには、まずCatalogとSchemaを作成します。CatalogはMetastore Admin(またはCREATE CATALOG権限を持つユーザー)が、SchemaはCatalog所有者(またはそのCatalogのCREATE SCHEMAとUSE CATALOGを持つユーザー)が作成できます。
-- Catalogの作成
CREATE CATALOG IF NOT EXISTS production
COMMENT 'Production environment catalog';
-- Schemaの作成
CREATE SCHEMA IF NOT EXISTS production.sales
COMMENT 'Sales domain tables';
-- Managed Tableの作成(LOCATIONなし → Unity Catalog管理ストレージに格納)
CREATE TABLE production.sales.orders (
order_id BIGINT GENERATED ALWAYS AS IDENTITY,
customer_id BIGINT NOT NULL,
amount DECIMAL(12,2) NOT NULL,
order_date DATE NOT NULL,
status STRING DEFAULT 'pending'
)
COMMENT 'Customer order records'
TBLPROPERTIES ('quality' = 'gold');
-- External Tableの作成(LOCATIONあり → 外部ストレージのデータを参照)
CREATE TABLE production.sales.external_logs (
log_id BIGINT,
message STRING,
timestamp TIMESTAMP
)
LOCATION 's3://data-lake/external/sales/logs/';Unity CatalogはSQL標準のGRANT/REVOKE構文でアクセス制御を行います。権限はSecurable Object(Catalog、Schema、Table、View、Function、Volume、External Location、Storage Credentialなど)に対して付与し、ユーザー・サービスプリンシパル・グループ(プリンシパル)に紐づけます。初期状態のユーザーはデータにアクセスできず、操作には権限を明示的に付与する必要があります。DEA試験ガイドのセクション7はGRANT・REVOKE・DENYの適用を挙げていますが、DENY文はhive_metastore専用で、Unity Catalogでは使えません。Unity Catalogで明示的に拒否する仕組みはABACのDENYポリシー(ベータ)で、拒否できるのはMANAGE ACCESS CONTROL(権限の付与・取り消しや所有権の移譲など、アクセス管理の操作)だけです。SELECTのようなデータの権限は、DENYポリシーでは拒否できません。
| 権限 | 適用対象 | 効果 |
|---|---|---|
USE CATALOG | Catalog | Catalog内のオブジェクトを扱うのに必須(それ自体ではデータにアクセスできない) |
USE SCHEMA | Schema, Catalog | Schema内のオブジェクトを扱うのに必須。Catalogに付与すると配下の全Schemaに継承される |
SELECT | Table, View | データの読み取り(SELECT文の実行) |
MODIFY | Table | INSERT / UPDATE / DELETE / MERGE の実行 |
CREATE TABLE | Schema | Schema内に新しいテーブルを作成 |
CREATE SCHEMA | Catalog | Catalog内に新しいSchemaを作成 |
CREATE CATALOG | Metastore | Metastore内に新しいCatalogを作成 |
ALL PRIVILEGES | すべて | 対象オブジェクトと配下に適用できる権限をまとめて付与(MANAGEやREAD METADATAなど一部は含まれない) |
CREATE EXTERNAL LOCATION | Metastore, Storage Credential | Storage Credentialを使ったExternal Locationの作成(MetastoreとStorage Credentialの両方で必要) |
-- ステップ1: Catalogの使用を許可する(廊下を通す)
GRANT USE CATALOG ON CATALOG production TO analysts;
-- ステップ2: Schemaの使用を許可する
GRANT USE SCHEMA ON SCHEMA production.sales TO analysts;
-- ステップ3: テーブルのSELECT権限を付与(部屋に入れる)
GRANT SELECT ON SCHEMA production.sales TO analysts;
-- ↑ Schema配下の現在と将来の全テーブルにSELECTが適用される
-- 特定のテーブルだけに限定する場合
GRANT SELECT ON TABLE production.sales.orders TO analysts;
-- データ変更権限の付与
GRANT MODIFY ON TABLE production.sales.orders TO etl_service;
-- Schema内にテーブルを作れる権限
GRANT CREATE TABLE ON SCHEMA production.sales TO data_engineers;
-- 権限の確認
SHOW GRANTS ON SCHEMA production.sales;
SHOW GRANTS analysts ON SCHEMA production.sales; -- analystsグループの分だけ表示
-- 権限の取り消し
REVOKE SELECT ON SCHEMA production.sales FROM analysts;Unity Catalogの権限は上位オブジェクトから下位に継承されます。 たとえば、CatalogにSELECTを付与すると、そのCatalog配下の現在と将来のすべてのテーブルに SELECTが適用されます。ただし、SELECTだけではデータを読めません。 CatalogへのUSE CATALOGとSchemaへのUSE SCHEMAも必要です。USE SCHEMAも継承されるのでCatalogに付与すれば配下の全Schemaに効きますが、 USE CATALOGはCatalog自体に付与します。
権限の継承イメージ:
GRANT SELECT ON CATALOG production TO analysts;
→ production配下の現在と将来の全TableにSELECTが継承
ただし使用権限が必要:
Catalog: production → USE CATALOGが必要 ✓
Schema: sales → USE SCHEMAが必要 ✓(Catalogに付与しても可)
Table: orders → SELECTで読み取り可能 ✓
USE CATALOGが欠けている場合:
Catalog: production → USE CATALOGなし ✗
Schema: sales → USE SCHEMAあり
Table: orders → SELECTあり → でもアクセス不可 ✗Unity Catalogに登録するテーブルは、データの保存場所によって主にManaged TableとExternal Tableに分類されます(ほかにLakehouse Federationで外部のシステムを参照するフォーリンテーブルもあります)。DROP時の挙動が根本的に異なるため、設計時に正しく選択する必要があります。
| 比較項目 | Managed Table | External Table |
|---|---|---|
| データの場所 | Unity Catalogの管理ストレージ(Metastore/Catalog/Schemaのストレージルート) | ユーザーが指定した外部パス(S3, ADLS, GCS) |
| 作成方法 | CREATE TABLE ...(LOCATIONなし) | CREATE TABLE ... LOCATION 's3://...' |
| DROP時のデータ | テーブルが削除され、データファイルもリカバリ期間(既定7日)の後に自動削除される。期間内はUNDROP TABLEで復元できる | メタデータのみ削除、データファイルは外部ストレージに残る |
| ライフサイクル管理 | Unity Catalogが完全に管理 | データファイルのライフサイクルはユーザーが管理 |
| 推奨ユースケース | ほとんどのケース(Databricksが推奨する既定のテーブル) | マネージドテーブルに対応しない既存データ(JSON・Avroなど)の登録、Databricks以外のクライアントからの直接アクセス |
試験ガイドのポイント: 第7セクションは、マネージドテーブルと外部テーブルの区別と、作成・変更・削除・相互変換を挙げています。DROP TABLEでは、Managed Tableはデータファイルも(リカバリ期間の後に)消え、External Tableはメタデータだけが消えます。外部テーブルからマネージドテーブルへの変換にはALTER TABLE ... SET MANAGEDを使います。
External Tableを作成するには、Unity Catalogが外部ストレージにアクセスするための認証情報を登録する必要があります。この仕組みはStorage CredentialとExternal Locationの2段階で構成されます。
[Storage Credential] クラウドの認証情報を登録
│ (IAMロール / Service Principal / Service Account)
▼
[External Location] 認証情報と許可パスを紐づけ
url: s3://bucket/path/ 「この認証情報で、このパス範囲にアクセスOK」
│
▼
[External Table] LOCATION句で外部パスを指定してテーブル作成
production.sales.ext_logs
LOCATION 's3://bucket/path/logs/'-- 1. Storage Credentialの作成
-- SQLではなく、Catalog Explorer([Connect] > [Credentials])や
-- Databricks CLI、Terraformで作成する。
-- CREATE STORAGE CREDENTIAL権限が必要
-- (メタストア管理者とアカウント管理者は既定で持つ)。
-- ここでは、IAMロール(arn:aws:iam::123456789012:role/unity-catalog-role)を
-- 登録したaws_s3_credentialを作成済みとする。
-- 2. External Locationの作成
-- (MetastoreとStorage CredentialのCREATE EXTERNAL LOCATION権限が必要)
CREATE EXTERNAL LOCATION s3_data_lake
URL 's3://my-data-lake/production/'
WITH (STORAGE CREDENTIAL aws_s3_credential)
COMMENT 'Production data lake on S3';
-- 3. External Locationの権限を付与
GRANT CREATE EXTERNAL TABLE ON EXTERNAL LOCATION s3_data_lake
TO data_engineers;
-- 4. External Tableの作成
CREATE TABLE production.sales.external_events (
event_id BIGINT,
event_type STRING,
payload STRING,
created_at TIMESTAMP
)
LOCATION 's3://my-data-lake/production/events/';Storage Credentialは複数のExternal Locationで再利用できます。 たとえば1つのIAMロールで s3://bucket/sales/ と s3://bucket/marketing/の2つのExternal Locationを作成し、チームごとにアクセス範囲を分離するといった設計が可能です。
Unity Catalogは、従来のHive Metastoreが抱えていたガバナンスの課題を解決するために設計されました。移行を検討する際は以下の違いを理解しておく必要があります。
| 比較項目 | Hive Metastore | Unity Catalog |
|---|---|---|
| 管理スコープ | ワークスペース単位(各ワークスペースに独立したメタストア) | アカウント単位(複数ワークスペースで共有) |
| 名前空間 | 2レベル(schema.table / database.table) | 3レベル(catalog.schema.table) |
| 権限モデル | テーブルアクセス制御(レガシー)。CATALOG・SCHEMA・TABLE・VIEW・FUNCTIONなどにGRANT・DENY・REVOKEし、ワークスペースごとに管理 | GRANT/REVOKE(階層的な権限継承)。ワークスペースローカルのグループには付与できない。DENY文は使えず、明示的な拒否はABAC DENYポリシー(ベータ) |
| 監査ログ | Unity Catalogの組み込み監査の対象外 | System Tablesによる統一監査ログ |
| データリネージ | Unity Catalogのリネージの対象外 | テーブル・カラムレベルの自動リネージ |
| テーブル形式 | Delta / Parquet / CSV / JSON / ORC / Avro | Managed TableはDeltaまたはIceberg、External TableはDelta・CSV・JSON・Avro・Parquet・ORC・テキスト |
| ファイル管理 | DBFS(ルートはワークスペースの全ユーザーがアクセス可。DBFSルートとマウントは現在非推奨) | Volumes(権限管理・監査付き) |
| クロスワークスペース共有 | 不可(ワークスペース間でメタデータが分断) | 同一Metastore配下のワークスペースで自動共有 |
OpenSharing(旧Delta Sharing)は、組織の境界を超えてデータを安全に共有するためのオープンプロトコルです。 Unity CatalogはOpenSharingのプロバイダーとして機能し、外部組織のDatabricks環境や 非Databricks環境(Apache Spark、pandas、Power BIなど)に対してデータを共有できます。
-- 共有(Share)の作成
CREATE SHARE customer_analytics;
-- Shareにテーブルを追加
ALTER SHARE customer_analytics
ADD TABLE production.sales.orders;
-- 受信者(Recipient)の作成
CREATE RECIPIENT partner_company
USING ID 'partner-sharing-identifier';
-- 受信者にShareへのアクセスを付与
GRANT SELECT ON SHARE customer_analytics TO RECIPIENT partner_company;Volumesは、テーブル以外のファイル(CSV、JSON、画像、モデルアーティファクト、設定ファイルなど)をUnity Catalogの権限モデルで管理するための機能です。従来のDBFS(Databricks File System)のルートはワークスペースの全ユーザーがアクセスでき、DBFSの監査イベントもDBFS REST API経由の操作とマウントの作成・削除に限られます(DBFSルートとマウントは現在非推奨)。VolumeはCatalog/Schema配下に作成されるため、GRANT/REVOKEで権限制御ができ、監査ログにも記録されます。
-- Managed Volumeの作成(Unity Catalog管理ストレージに保存)
CREATE VOLUME production.raw.landing_files;
-- External Volumeの作成(外部パスを参照)
CREATE EXTERNAL VOLUME production.raw.s3_landing
LOCATION 's3://my-bucket/landing/';
-- ファイルの一覧表示
LIST '/Volumes/production/raw/landing_files/';
-- SQLからファイルを読み取り
SELECT * FROM csv.`/Volumes/production/raw/landing_files/2026-03/data.csv`;
-- PythonからVolume内のファイルを読み取り
-- df = spark.read.csv("/Volumes/production/raw/landing_files/2026-03/data.csv")Unity Catalogは、ノートブックやジョブで実行されたSparkクエリを自動的に解析し、テーブル間・カラム間のデータフロー(リネージ)を記録します。手動での設定や有効化は不要で、Unity Catalogが有効な環境では自動的に動作します。
監査ログは system.access.audit テーブル(System Tables)に記録されます。誰がいつどのオブジェクトに対してどの操作を行ったかを、SQLで直接クエリして分析できます。
-- 直近24時間のUnity Catalogの監査イベントを確認
-- (GRANT / REVOKEはupdatePermissionsとして記録される)
SELECT
event_time,
user_identity.email AS user_email,
action_name,
COALESCE(request_params.full_name_arg,
request_params.securable_full_name) AS object_name
FROM system.access.audit
WHERE service_name = 'unityCatalog'
AND event_time > current_timestamp() - INTERVAL 24 HOURS
AND action_name IN ('getTable', 'deleteTable', 'updatePermissions')
ORDER BY event_time DESC;Data Engineer Associate(DEA)試験の現行版(2026年5月4日改訂)では、Governance and Security(ガバナンスとセキュリティ)セクションが15%の出題比率を占めます。Unity Catalogはこのセクションの中核トピックです。以下の項目は確実に押さえてください。
| 出題テーマ | 押さえるべきポイント |
|---|---|
| 3レベル名前空間 | catalog.schema.table の構造。Metastoreは名前空間には含まれない |
| USE CATALOG・USE SCHEMA | CatalogへのUSE CATALOGとSchemaへのUSE SCHEMAがないとSELECTが効かない(USAGEはレガシーのHive Metastoreの権限名)。上位が「廊下」、下位が「部屋」 |
| GRANT / REVOKE / DENY | ガイドのセクション7はGRANT・REVOKE・DENYの適用を挙げる。DENY文はhive_metastore専用でUnity Catalogでは使えない。Unity Catalogで明示的に拒否するのはABACのDENYポリシー(ベータ)で、拒否できるのはMANAGE ACCESS CONTROLだけ |
| Managed vs External | DROP時の挙動: Managed→データファイルもリカバリ期間(既定7日)の後に削除され、期間内はUNDROP TABLEで復元できる。External→メタデータのみ削除。LOCATION句の有無で区別。外部テーブルからマネージドテーブルへの変換はALTER TABLE ... SET MANAGED |
| 行フィルタ・列マスク | 行フィルタは行ごとに評価するSQL UDFで、FALSEを返した行を結果から除く(ALTER TABLE ... SET ROW FILTER)。列マスクは列の値を受け取り、元の値かマスクした値を返すSQL UDF(ALTER TABLE ... ALTER COLUMN ... SET MASK) |
| ABACポリシー | ガバナンスタグを条件にしたポリシーをカタログ・スキーマ・テーブルに付け、行フィルタと列マスクを多数のテーブルへ一元的に適用する。サーバーレスかDatabricks Runtime 16.4以上の標準コンピュートなどが必要 |
| Storage Credential → External Location | 2段階の認証構造。Credential=クラウド認証情報、Location=許可パス範囲 |
| Volumes | 非推奨になったDBFSルート・マウントに代わる、表形式でないファイルの置き場所。READ VOLUME・WRITE VOLUMEなどをGRANT/REVOKEで管理し、監査ログにも記録される |
| データリネージ | 有効化不要(自動記録)。テーブルレベルとカラムレベルの2種類 |
| OpenSharing(旧Delta Sharing) | 2026年5月4日改訂の試験ガイドには記載がない(旧版ではDelta Sharingとして出題範囲)。オープンプロトコル。データコピー不要。受信者はDatabricksユーザーでなくてもよい |
| 権限の継承 | Catalogに付与した権限は配下の現在と将来の全Schema・全オブジェクトに継承される。ただしデータを読むにはUSE CATALOGとUSE SCHEMAも必要 |
Governance and Security / Unity Catalog
問題 1
アナリストチーム(グループ名: analysts)が production.sales.orders テーブルを SELECT しようとしたが、'PERMISSION DENIED' エラーが発生した。管理者は「GRANT USE SCHEMA ON SCHEMA production.sales TO analysts」と「GRANT SELECT ON SCHEMA production.sales TO analysts」を実行済みである。この問題を解決するために追加で必要なSQL文はどれか。
正解: A
Unity Catalogでテーブルのデータを読むには、テーブル(またはその親のSchemaやCatalog)へのSELECTに加えて、親CatalogへのUSE CATALOGと親SchemaへのUSE SCHEMAが必要です。問題文ではUSE SCHEMAとSELECTが付与済みなので、足りないのはproductionカタログへのUSE CATALOGです。選択肢BのALL PRIVILEGESはテーブルの権限をまとめて付与しますが、USE CATALOGがなければ読めないうえ、最小権限の原則にも反します。選択肢CのREADはUnity Catalogの権限名ではありません。選択肢DのBROWSEは実在する権限ですが、オブジェクトを見つけてメタデータを見たり、アクセスを申請したりするためのもので、データは読めません。なお、USAGEはレガシーのHive Metastoreの権限名で、Unity CatalogではUSE CATALOG・USE SCHEMAを使います。
Governance and Security / External Location
問題 2
データエンジニアがS3上の既存データを参照するExternal Tableを作成したい。Unity Catalogで必要な手順として正しい順序はどれか。
正解: C
External Tableの作成には、事前にStorage CredentialとExternal Locationが必要です。正しい順序は (1) Storage Credential(クラウド認証情報の登録)→ (2) External Location(そのCredentialを使ってアクセス可能なパス範囲を定義)→ (3) External Table(LOCATION句でパスを指定して作成)です。External LocationはStorage Credentialへの参照を含むため、Credentialが先に存在する必要があります。External TableはExternal LocationのURL範囲内にLOCATIONを指定するため、Locationが先に存在する必要があります。
Governance and Security / Table Types
問題 3
Unity CatalogのManaged Tableに対して「DROP TABLE production.sales.orders」を実行した。リカバリ期間の設定が既定のままのとき、データファイルはどうなるか。
正解: B
Unity CatalogのManaged Tableは、DROP TABLEで削除してもデータファイルがすぐには消えません。既定7日のリカバリ期間内ならUNDROP TABLEで復元でき、期間が過ぎるとDatabricksがクラウドストレージのデータファイルを自動で削除します。選択肢Aは「直後に削除」と「復元できない」の両方が誤りです。選択肢CはExternal Tableの挙動で、External Tableではメタデータだけが削除され、データファイルは外部ストレージに残ります。選択肢Dのように、削除したテーブルを元の名前のままSELECTすることはできません。試験ではManaged/Externalの違いを「データファイルが削除されるかどうか」で即答できるようにし、Managed Tableには復元できる猶予期間があることも押さえておきましょう。
Unity CatalogとHive Metastoreの違いは何ですか?
Hive Metastoreはワークスペースごとに存在するレガシーのメタストアで、メタデータも権限(テーブルアクセス制御)もワークスペースごとに管理します。Unity Catalogはアカウントレベルで動作し、複数ワークスペースに対して統一的なアクセス制御・監査ログ・データリネージを提供します。権限の仕組みも異なり、Hive Metastoreのテーブルアクセス制御はGRANT・REVOKEに加えてDENY文も使えますが、DENY文はhive_metastore専用で、Unity Catalogでは使えません。Unity Catalogでは初期状態のユーザーはデータにアクセスできず、操作には権限を明示的に付与する必要があります。明示的な拒否はベータのABAC DENYポリシーで行い、拒否できるのはMANAGE ACCESS CONTROLだけです。Unity Catalogの権限はユーザー・サービスプリンシパル・アカウントグループに付与し(ワークスペースローカルのグループには付与できません)、Catalog・Schema・Table/View/Function/Volumeの階層全体で一貫した制御が可能です。
Unity Catalogは無料で使えますか?
Unity Catalogを使うには、DatabricksのPremiumプラン以上が必要です。Standardティアでは使えません(Azureでは2026年4月1日以降の新規ワークスペースはPremiumのみで、2026年10月1日の時点で残っているStandardティアのワークスペースはPremiumへ自動で移行すると案内されています)。学習目的なら、無料のFree Editionでも、アカウントあたりワークスペース1つ・メタストア1つの範囲で試せます。機能ごとに別の要件もあり、たとえばABAC(属性ベースのアクセス制御)のポリシーには、サーバーレスまたはDatabricks Runtime 16.4以上の標準コンピュートなどが必要です。最新の要件はDatabricks公式ドキュメントで確認してください。
Unity Catalogの権限でUSE CATALOG・USE SCHEMAとSELECTの違いは何ですか?
USE CATALOGとUSE SCHEMAは「その中のオブジェクトを扱うための前提となる権利」(使用権限)で、それ自体ではデータにアクセスできません。USE CATALOGはCatalogに、USE SCHEMAはSchemaに付与します。SELECTは「テーブルやビューのデータを読み取る権利」です。例えば、production.sales.ordersテーブルをSELECTするには、テーブルへのSELECT権限に加えて、productionカタログへのUSE CATALOGとsalesスキーマへのUSE SCHEMAが必要です。USE CATALOG・USE SCHEMAは「廊下を通る鍵」、SELECTは「部屋に入る鍵」と考えるとわかりやすいです。片方だけではアクセスできません。なお、USAGEはレガシーのHive Metastoreの権限名です。
出題範囲を体系的に扱う教科書があります。全 16 章、登録なしで全部読めます。
第 0 部・無料
クラウド自体がはじめての方へ
サーバー・ネットワーク・データベースの前提知識なしで読める 8 章。登録不要・無料。
無料
誰に何を見せるか
Unity Catalog の権限
無料
Databricks とレイクハウスの全体像
なぜこの製品が要るのか、何がどこに属するか
NicheeLab編集部
データエンジニアリング・クラウド資格の専門家。Databricks・Snowflake等の認定資格を保有し、実務経験に基づいた問題作成・解説を行っています。NicheeLab運営。
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