Databricksの認定試験を目指すなら、公式ドキュメントの読み込みだけでなく実際にDatabricks環境を触るハンズオン学習が合格率を大きく左右します。Databricksは2つの無料利用オプション(Free Editionと14日間フルトライアル)を提供しており、それぞれの特性を理解して使い分けることが試験対策の鍵です。
この記事では、Free Edition(2026年1月1日に終了したCommunity Editionの後継)とフルトライアルの違い、登録手順、試験対策での具体的な活用方法、Associate vs Professionalでの使い分けを解説します。
Databricksの無料利用オプションは2種類あり、機能・制限が大きく異なります。
| 項目 | Free Edition | 14日間フルトライアル |
|---|---|---|
| 利用期限 | 期限なし(無料で継続利用可。長期間使わないアカウントは削除される場合あり) | 登録から14日間 |
| クラウド基盤 | Databricks管理のサーバーレス環境 | 自身のAWS / Azure / GCPアカウント |
| クラスタ | サーバーレスのみ(クラスタを自分で構成することは不可) | Multi-Node(複数ノード、自由に構成) |
| 費用 | 完全無料 | Databricks利用料無料(クラウド基盤料金は自己負担) |
| Unity Catalog | 利用可能(ワークスペース・メタストアは各1つ) | 利用可能 |
| Workflows(ジョブ) | 利用可能(同時に実行できるジョブタスクは5つまで) | 利用可能 |
| SQL Warehouse | 1つまで(2X-Small) | 利用可能 |
| Model Serving | 上限付きで利用可能(GPUエンドポイントは不可) | 利用可能 |
| Delta Lake | 利用可能 | 全機能利用可能 |
| MLflow | 利用可能 | 利用可能 |
| Auto Loader | 制限付き(外部へのネットワークアクセスは一部の信頼済みドメインに限られる) | S3/ADLS/GCSからの取り込みが可能 |
| Repos(Git連携) | 利用可能 | 利用可能 |
| クレジットカード登録 | 不要 | 必要(クラウドアカウント作成時) |
Free Editionは「学習目的の常設環境」、フルトライアルは「本番同等機能の短期検証環境」と位置づけると、使い分けが明確になります。
Free Editionの登録は5分程度で完了します。費用はかからず、メールアドレス・Googleアカウント・Microsoftアカウントのいずれかで始められます。
Databricks公式サイトのFree Editionページ(databricks.com/learn/free-edition)で「Sign up for Free Edition」を選択します。旧Community Editionのcommunity.cloud.databricks.comは2026年1月1日に終了しているので注意してください。
メールアドレス(ワンタイムコード)、Googleアカウント、Microsoftアカウントから登録方法を選びます。SSOには対応していません。
メールアドレスで登録した場合は、届いたワンタイムコードを入力して認証を完了させます。迷惑メールフォルダに振り分けられる場合があるため、届かない場合はそちらを確認してください。
認証が終わると、Databricksが新しいワークスペースを作成します。ワークスペースにはサーバーレスコンピュートと既定のストレージが用意されているため、クラスタを作成しなくてもすぐにノートブックやSQLエディタを使い始められます。
Free Editionで実際に手を動かして学習できる試験関連のトピックを整理します。
Delta Lakeの操作は、Free Editionで実習できます。
Spark Developer試験やDEA試験で問われるSpark APIの操作をノートブック上で実習できます。
MLA試験で問われるMLflowの実験管理も、Free Editionで実習できます。
Free Editionでは使えない、または上限がある機能のうち、試験に関わるものをフルトライアルで検証しましょう。14日間という限られた期間を有効に使うため、優先度順に整理します。
DEAでは、セクション1でコンピュートの種類・制約・コストモデルの使い分けが、セクション6でクラスタの起動失敗・ライブラリの競合・メモリ不足の診断が出題目標に挙がっています。Free Editionはサーバーレスのみでクラスタを自分で構成できないため、フルトライアルで実際にクラスタを作って確認しておくと理解が深まります。なお、Unity Catalog(カタログ・スキーマ・テーブルの作成やGRANT)はFree Editionでも実習できます。
DEP試験ではパイプラインのスケジューリング、エラーハンドリング、依存関係の設定が問われます。ジョブ自体はFree Editionでも作れますが(同時に実行できるジョブタスクは5つまで)、ジョブクラスタやクラスタポリシーなど、サーバーレス以外のコンピュートに関わる設定はフルトライアルで確認しましょう。
DAA試験ではDatabricks SQLのクエリ実行環境としてSQL Warehouseの理解が求められます。Free EditionでもSQL Warehouseを1つ(2X-Small)使えるため基本操作は実習できますが、サイズの変更やスケーリングの設定はフルトライアルで確認しましょう。
MLA試験やGenAI Engineer試験では、モデルのデプロイとサービングの知識が問われます。Free Editionでもエンドポイントは作れますが、数に上限があり、GPUエンドポイントやプロビジョンドスループットは使えません。
試験レベルによってFree Editionとフルトライアルの使い分け戦略が異なります。
| 項目 | Associate試験対策 | Professional試験対策 |
|---|---|---|
| メイン学習環境 | Free Edition | Free Edition + フルトライアル |
| Free Edition利用期間 | 2〜4週間(メインで使用) | 4〜8週間(基礎固め) |
| フルトライアル利用 | クラスタ構成の確認に3〜5日 | クラスタ・ジョブクラスタ・高度な機能に14日間フル活用 |
| フルトライアル開始タイミング | 受験2週間前 | 受験3週間前 |
| Free Editionで試せない項目の補完 | 公式ドキュメント + 動画で理論学習 | フルトライアルで実機操作必須 |
フルトライアルは14日間しかないため、開始タイミングが重要です。Free Editionで基礎を固めた後、受験の2〜3週間前にフルトライアルを開始し、Free Editionでは試せない機能に集中して実習するのが最も効率的です。
フルトライアル開始前に、以下のチェックリストを用意しておくと14日間を無駄なく使えます。
Databricks Data Engineer Associate
問題 1
データエンジニアがDatabricks Free Editionで試験対策の学習を行っています。以下のうち、Free Editionでは実行できないため公式ドキュメントやフルトライアルで補う必要がある項目はどれですか?
正解: C
Free Editionはサーバーレスコンピュートのみで、コンピュートを自分で構成すること(カスタムのコンピュート構成)はサポートされていません。PySpark/Spark SQL(選択肢A)、Delta Lakeの基本操作(選択肢B)、MLflow(選択肢D)はいずれもFree Editionで実行できます。DEAのセクション1ではコンピュートの種類と使い分けが出題目標に入っているため、Free Editionで学習している場合は公式ドキュメントや14日間フルトライアルで補完学習します。なお、旧Community Editionでは使えなかったUnity CatalogもFree Editionでは使えます。
Free Editionのアカウントは期限切れになりますか?
Free Editionは無料で継続して利用でき、アカウント自体に利用期限はありません。ただし公式ドキュメントには、長期間使われていないアカウントは削除される場合があると書かれているため、学習を継続する場合は定期的にログインしておくことを推奨します。また使用量には上限(fair usage policy)があり、超えるとその日(極端な場合はその月)はコンピュートが使えなくなりますが、データと設定は削除されません。サーバーレスのみで動くため、クラウド料金が発生することもありません。なお、旧Community Editionは2026年1月1日に終了しています。
14日間フルトライアルが終了した後、データやノートブックはどうなりますか?
14日間のフルトライアル期間が終了すると、ワークスペースへのアクセスが停止されます。トライアル期間中に作成したノートブック、テーブル、ジョブの設定はトライアル終了後も一定期間保持されますが、アクセスできなくなります。有料プランに移行すれば引き続き利用可能です。重要なノートブックはトライアル期間中にローカルにエクスポート(.ipynb形式 or .dbc形式)しておくことを強く推奨します。トライアル終了後に無料で学習を続ける場合はFree Editionのアカウントを別に作る形になり、トライアルのデータやノートブックは自動では引き継がれません。
Free EditionだけでDatabricks認定試験に合格できますか?
Associate試験(DEA、DAA、MLA等)で問われる主要な機能は、Free Editionで実習できます。Free Editionはサーバーレスのみの環境ですが、Unity Catalog(1アカウントにワークスペースとメタストアが1つずつ)、ジョブ、SQL Warehouse(2X-Smallを1つ)、Lakeflowのパイプライン、MLflowを上限付きで使えます。一方、クラスタを自分で構成すること(カスタムのコンピュート構成)はできず、R・Scalaやレガシー機能も使えません。DEAのセクション1で問われるコンピュートの種類と使い分けや、Professional試験で問われるクラスタ構成の判断などは、Databricks公式ドキュメントで補うか、14日間フルトライアルで補完学習することを推奨します。
出題範囲を体系的に扱う教科書があります。全 16 章、登録なしで全部読めます。
第 0 部・無料
クラウド自体がはじめての方へ
サーバー・ネットワーク・データベースの前提知識なしで読める 8 章。登録不要・無料。
無料
Databricks とレイクハウスの全体像
なぜこの製品が要るのか、何がどこに属するか
無料
データはどこに、どんな形で保存されるか
テーブルの実体と Delta Lake の内部
NicheeLab編集部
データエンジニアリング・クラウド資格の専門家。Databricks・Snowflake等の認定資格を保有し、実務経験に基づいた問題作成・解説を行っています。NicheeLab運営。
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