SnowPro Specialty試験は、Snowflakeの各専門領域における深い知識と実務スキルを証明する資格です。Core試験が概念的な知識を広く問うのに対し、Specialty試験ではSnowpark DataFrame APIのコード読解、Native Appsの権限モデル設計、Cortex LLM Functionsの使い分けなど、実務に直結する応用力が求められます。
この記事では、3つのSpecialty試験の分野——Snowpark・Native Apps・Gen AI/Cortex——から厳選した練習問題を掲載します。各問題の解説では「なぜその選択肢が正解/不正解なのか」の技術的根拠を詳しく説明しています。
SnowPro Specialty試験は55問・85分で実施されます。Core試験(100問・115分)と比べて1問あたりの回答時間は長い(約93秒)ですが、コードスニペットの読解やアーキテクチャ設計判断を含む応用問題が多いため、時間に余裕があるとは限りません。
各試験の出題分野と配点(公式Study Guide・2026年10月時点)は次のとおりです。2026年にはNative AppsがNAS-C02、Gen AIがGES-C02という新しい版に切り替わり、出題分野も変わりました。
| 試験 | 出題分野(配点) | 主な内容 |
|---|---|---|
| Snowpark(SPS-C01・2026年11月1日に終了) | Snowpark Concepts 15% / Snowpark API for Python 30% / Snowpark for Data Transformations 35% / Snowpark Performance Optimization 20% | DataFrame API・UDF/UDTF・ストアドプロシージャ(Python) |
| Native Apps(NAS-C02) | Design 22% / Build 38% / Deploy 11% / Manage 29% | アーキテクチャと権限の設計・manifestとsetup script・Marketplaceでの公開・バージョン管理とアップグレード |
| Gen AI(GES-C02) | Snowflake for Gen AI Overview 18% / Snowflake Gen AI Functions 38% / Snowflake Gen AI Governance 29% / Snowflake Document Processing 15% | Cortex AI関数(AI_COMPLETE・AI_EXTRACTなど)・Cortex Search・Cortex Analyst・Snowflake Intelligence・AI_PARSE_DOCUMENT |
Snowpark PythonのDataFrame APIは遅延評価(Lazy Evaluation)を採用しており、collect()やshow()などのアクション呼び出しまでクエリは実行されません。以下の問題で、DataFrameの動作と型の理解を確認しましょう。
Snowpark - DataFrame API
問題 1
Snowpark PythonのDataFrame APIにおいて、以下のコードの実行結果として正しいものはどれですか? df = session.table('orders') df2 = df.filter(col('status') == 'completed') df3 = df2.select('order_id', 'amount') print(type(df3))
正解: B
Snowpark PythonのDataFrame APIは遅延評価(Lazy Evaluation)を採用しています。session.table()・filter()・select()はすべてトランスフォーメーション(変換操作)であり、呼び出し時点ではSQLの論理実行プランが構築されるだけで、Snowflakeへのクエリ送信は行われません。df3の型はsnowflake.snowpark.DataFrame型であり、pandasのDataFrameとは異なるSnowpark独自のオブジェクトです。実際にクエリを実行して結果を取得するにはcollect()(Rowのリストを返す)やshow()(結果を標準出力に表示)、to_pandas()(pandas DataFrameに変換)などのアクションメソッドを呼び出す必要があります。この遅延評価モデルの理解はSnowpark試験の根幹です。
Snowflake Native App Frameworkでは、アプリケーションは最小権限の原則に基づいて動作します。インストール後のConsumerデータへのアクセスは、Consumer側の明示的な権限付与なしには実現できません。以下の問題で、この権限モデルを確認しましょう。
Native Apps - セキュリティモデル
問題 2
Snowflake Native Appがインストール後にConsumerのデータにアクセスするために必要な手順はどれですか?
正解: C
Native Appsは最小権限の原則に基づき、デフォルトではConsumerのデータにアクセスする権限を持ちません。ConsumerがSnowsightまたはGRANT文でアプリケーションに特定のオブジェクトへの権限を明示的に付与するか、アプリが要求する参照(reference)に自分のオブジェクトを指定して承認して初めて、アプリケーションからConsumerのデータへのアクセスが可能になります。manifest.ymlにはアプリケーションが必要とする権限や参照(references)を宣言しますが、実際の権限付与はConsumer側の操作です。Providerがテーブル名をハードコード(A)しても権限がなければSQLエラーになります。全データベースの自動アクセス(B)はセキュリティモデル上あり得ません。Native AppはConsumerのデータにもアクセスできるよう設計されているため(D)も誤りです。
Snowflake Cortex LLM Functionsは、SQLから直接LLM(大規模言語モデル)を呼び出してテキスト生成・翻訳・要約を実行できる機能です。Stored Procedureを書かずにSELECT文でAI機能を利用できることが最大の特徴です。
Cortex - LLM Functions
問題 3
Snowflake Cortex LLM FunctionsのCOMPLETE関数について、正しい説明はどれですか?
正解: B
Snowflake Cortex LLM FunctionsのCOMPLETE関数は、SQLのSELECT文から直接呼び出してテキスト生成を実行できます。使用するLLMモデル(例:'llama3.3-70b'。使えるモデルはリージョンによって異なります)と入力プロンプトを指定して呼び出します。例えば「SELECT SNOWFLAKE.CORTEX.COMPLETE('llama3.3-70b', 'Snowflakeとは?')」のようにSQLで直接実行できます。テーブルの各行に対してバッチ的にテキスト生成を実行することも可能です。Stored Procedure限定(A)ではありません。オプション引数を指定しない場合の戻り値は応答の文字列で、常にJSON形式になるわけではありません(C)。Snowflakeのエディション比較表では、Cortex AI関数はStandardを含むすべてのエディションで使えるとされており、Business Critical限定(D)ではありません。なお、現在の公式ドキュメントではSNOWFLAKE.CORTEX.COMPLETEは後方互換のために残されている関数で、新しく使う場合は後継のAI_COMPLETEが推奨されています(GES-C02のStudy GuideにはAI_COMPLETEとCOMPLETEの両方が載っています)。
| 試験名 | 試験コード | 問題数 | 時間 | 受験料 | 前提条件 |
|---|---|---|---|---|---|
| Specialty: Snowpark(2026年11月1日で終了) | SPS-C01(2026年11月1日に終了) | 55問 | 85分 | $225 | なし |
| Specialty: Native Apps | NAS-C02 | 55問 | 85分 | $225 | なし |
| Specialty: Gen AI | GES-C02 | 55問 | 85分 | $225 | なし |
全Specialty試験は同一の問題数(55問)・時間(85分)・受験料($225)で、前提条件はありません(Core合格は不要)。試験間の難易度差はドメイン内容と出題傾向に起因します。Snowparkは2026年11月1日で終了し、Snowflakeは次の受験先としてAdvanced: Data Engineer(受験には有効なCore認定が必要)を勧めています。
Specialty試験はシナリオベースの問題が多く、ドキュメントの通読だけでは解けない応用問題が出題されます。Snowflakeの30日間無料トライアルでSnowpark Python・Native Apps・Cortex関数を実際に実行し、挙動を体で覚えることが最も効果的な学習方法です。特にSnowpark DataFrameのlazy evaluationの動作確認、Cortex COMPLETE関数のSQL実行、Native Appのmanifest・setup scriptの作成は、手を動かして初めて理解が深まります。
Specialty試験ではPythonやSQLのコードスニペットが問題文中に含まれ、コードの動作を正確に読み解く力が問われます。Snowpark APIの構文(session.table / filter / select / group_by / join / collect)や、@udf/@sprocデコレータのパラメータ(is_permanent / stage_location / execute_as / packages)を暗記するのではなく、実際にコードを書いて動作を確認しておきましょう。
Specialty試験は、Native App Framework・Cortex AI関数・Snowpark Container Servicesなど、比較的新しい機能を扱います。2026年のGES-C02では、Snowflake Intelligence・Cortex Code・MCP(Model Context Protocol)や、AI_TRANSCRIBE・AI_REDACT・AI_FILTERなどのAI関数が新たに出題範囲に入りました。Snowflake公式の「What's New」ページとリリースノートを定期的に確認しましょう。なお、GES-C02のStudy GuideにはCortex Fine-tuningなどパブリックプレビュー(Public Preview)の機能も載っているため、プレビュー段階の機能も出題範囲に含まれることがあります。最終的な範囲は各試験の最新のStudy Guideで確認してください。
GES-C02で独立した分野になった「Snowflake Document Processing」(15%)には、公式Study GuideによるとAI_PARSE_DOCUMENTのOCRモードとLAYOUTモード(page_split・page_limitの指定)、AI_EXTRACTの応答形式とプロンプトの書き方、StreamとTaskを組み合わせた文書処理の自動化、エラーの調べ方が含まれます。旧版GES-C01の最終版にはこの分野がなかったため、旧版向けの教材で学んだ方は重点的に補強しましょう。なお、Snowpipe StreamingやDynamic Tableは、現在のSpecialty試験のStudy Guideには載っていません(CoreやAdvanced: Data Engineer・Architectなどの出題範囲です)。
Specialty試験の問題をもっと解く
NicheeLab問題集でSnowpark・Native Apps・Gen AIの問題を練習できます(Native AppsとGen AIは旧版NAS-C01・GES-C01の出題範囲で作成)
無料で問題を解く →Specialty試験を受験するにはCoreの合格が必要ですか?
いいえ、必要ありません。SnowPro Specialty試験には前提条件がなく、Coreに合格していなくても受験できます。受験に有効なCore認定が必要なのは、Architect・Data EngineerなどのAdvanced試験のほうです。Specialty試験は55問・85分・受験料$225で、Core試験(100問・115分・$175)より問題数は少ないですが、各専門領域の深い実務知識を問うため難易度は高くなります。2026年10月時点でSpecialty試験はSnowpark・Native Apps・Gen AIの3種類が提供されていますが、Snowparkは2026年11月1日で終了します。
Snowpark Specialty試験ではどのプログラミング言語が問われますか?
Snowpark Specialty試験では主にPythonが出題の中心です。DataFrame APIの操作、UDF/UDTFの作成、Stored Procedureの実装がPythonコードのスニペットとして出題されます。JavaとScalaもSnowparkでサポートされていますが、試験ではPythonの比率が最も高いです。特にsession.table()・filter()・select()・group_by()などのDataFrame操作、@udfデコレータによるUDF登録、@sprocデコレータによるStored Procedure作成の構文は必ず覚えておきましょう。
Native AppsとGen AIの試験は2026年に変わりましたか?
はい。Gen AIは2026年5月19日に新しい版のGES-C02が始まり、旧版のGES-C01は2026年7月20日に終了しました。Native Appsも2026年に新しい版のNAS-C02に切り替わり、旧版のNAS-C01はPearson VUEで予約できなくなっています。どちらも55問・85分・$225で前提条件はありませんが、出題分野が変わりました。GES-C02は「Snowflake for Gen AI Overview 18%・Snowflake Gen AI Functions 38%・Snowflake Gen AI Governance 29%・Snowflake Document Processing 15%」の4分野で、Snowflake Intelligence・Cortex Code・MCP(Model Context Protocol)や、AI_TRANSCRIBE・AI_REDACT・AI_FILTERなどのAI関数が新たに扱われます。NAS-C02は「Design 22%・Build 38%・Deploy 11%・Manage 29%」の4分野です。なお、NicheeLabのNative AppsとGen AIの問題集は旧版(NAS-C01・GES-C01)の出題範囲で作っています。学習計画は公式の最新のStudy Guideで出題分野を確認してから立ててください。
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NicheeLab編集部
データエンジニアリング・クラウド資格の専門家。Databricks・Snowflake等の認定資格を保有し、実務経験に基づいた問題作成・解説を行っています。NicheeLab運営。
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