Snowflake

SnowPro Specialty: Gen AI

2026-03-26
更新: 2026-10-13
NicheeLab編集部
目次
  1. 試験概要とスペック
  2. 出題ドメインと配点比率
  3. Cortex AI Functions(LLM関数)の詳細
  4. Vector Search とEmbedding
  5. RAGパターンの設計と実装
  6. Cortex Analyst(自然言語→SQL)
  7. Streamlit in Snowflakeでのアプリ構築
  8. AI利用のガバナンス
  9. 合格に向けた学習戦略
  10. 問題で確認
  11. よくある質問

SnowPro Specialty: Gen AI(GES-C02)は、Snowflakeの生成AI活用に特化したSpecialty認定試験です。 Cortex AI、LLM Functions、Vector Search、RAGパターン、ドキュメント処理など、Snowflake上での生成AI活用スキルを証明します。 この記事では出題ドメインの詳細と各技術の対策ポイントを解説します。

試験概要とスペック

Gen AI Specialty試験はSnowflakeプラットフォーム上での生成AI・LLMの活用能力を認定するSpecialtyレベルの試験です。 Snowflakeが急速に拡充しているCortex AIエコシステムの知識が問われます。

項目詳細
試験コードGES-C02
問題数55問(採点対象外の問題が含まれることがある)
試験時間85分
合格ライン750/1000点
受験料$225 USD
前提条件なし(SnowPro Core認定は不要)
試験形式選択式(単一選択・複数選択)
言語英語
受験方法Pearson VUE(オンライン監督またはテストセンター)

出題ドメインと配点比率

ドメイン配点比率主要トピック
1.0 Snowflake for Gen AI Overview18%Cortex AIの全体像(AI関数・Cortex Search・Cortex Analyst・Cortex Agents)、Snowflake Intelligence、クロスリージョン推論、Model RegistryとSnowpark Container Servicesによる独自モデルの持ち込み
2.0 Snowflake Gen AI Functions38%AI関数(AI_COMPLETE・AI_CLASSIFY・AI_EXTRACTなど)とベクトル関数、Cortex Search・Cortex Analystを使った分析、Streamlit in Snowflakeでのチャットアプリ、データパイプラインでの利用、Snowpark Container Servicesでのサードパーティモデル実行
3.0 Snowflake Gen AI Governance29%モデルへのアクセス制御、RBACとCORTEX_USERなどのロール、ガードレールと機密データの扱い(AI_REDACT)、Cortexのコスト監視と最適化、AI Observability
4.0 Snowflake Document Processing15%AI_PARSE_DOCUMENT(OCR/LAYOUTモード)、AI_EXTRACT、Streams・Tasksを使った文書処理パイプライン、トラブルシューティング

NicheeLabの問題集について:NicheeLabのGen AI問題集は、旧版GES-C01の出題範囲(3ドメイン)に沿って作成したものです。 GES-C02のドメイン4.0(Snowflake Document Processing)に当たる分類はなく、Cortex Code・MCP・AI_TRANSCRIBE・AI_REDACT・AI_FILTERなど、GES-C02で加わった項目も扱っていません。 これらは公式Study Guideのリンク先で学習してください。

Cortex AI Functions(LLM関数)の詳細

Cortex AI Functionsは、Snowflake内でLLMを直接呼び出すSQL関数群です。 外部APIキーや追加インフラが不要で、Snowflakeのガバナンス下でLLMを利用できる点が最大の特徴です。 現在の中心はAI_COMPLETEなどのAI_*関数で、従来のSNOWFLAKE.CORTEX.COMPLETEなどは公式リファレンスで「2026年末までに非推奨になる」と案内されています。GES-C02のStudy Guideも、AI関数の多くをAI_*の名前で挙げています。

AI_COMPLETE

最も基本的なLLM呼び出し関数で、生成AIのほとんどの用途に使います。モデル名とプロンプトを引数に取り、生成結果を返します(従来のSNOWFLAKE.CORTEX.COMPLETEの後継)。

-- AI_COMPLETEの基本呼び出し
SELECT AI_COMPLETE(
  'llama3.3-70b',
  'Snowflakeのマイクロパーティションの利点を3つ挙げてください'
) AS llm_response;

-- テーブルデータに対してバッチ処理
SELECT
  product_name,
  AI_COMPLETE(
    'llama3.3-70b',
    CONCAT('以下の商品レビューを要約してください: ', review_text)
  ) AS review_summary
FROM product_reviews
LIMIT 100;

特化型関数(AI_SUMMARIZE / AI_SENTIMENT / AI_TRANSLATEなど)

AI_COMPLETE以外に、特定のタスク向けの関数が用意されています。試験ではAI_COMPLETEとの使い分けが問われます(公式Study Guideのサンプル問題にもあります)。

  • AI_SUMMARIZE:テキストや文書の要約(従来のSUMMARIZEの後継。Study Guideとそのサンプル問題ではSUMMARIZEの名前で載っている)。複数行をまとめて要約するAI_SUMMARIZE_AGGもある
  • AI_SENTIMENT:テキストの感情分析。positive・negative・neutral・mixed・unknownのカテゴリで返す(従来のSENTIMENTは-1〜+1の数値を返す)
  • AI_TRANSLATE:多言語翻訳。翻訳元の言語に空文字('')を指定すると自動検出
  • AI_EXTRACT:テキストや文書から指定した情報を抽出(従来のEXTRACT_ANSWERの後継)
  • そのほか、AI_CLASSIFY(分類)・AI_FILTER(条件の真偽判定)・AI_AGG(複数行の集約)・AI_TRANSCRIBE(音声・動画の文字起こし)・AI_REDACT(個人情報の除去)もStudy Guideに載っている

Cortex Searchは、テキストデータに対するセマンティック検索(意味検索)をSnowflake内で実現する機能です。 従来のキーワード検索(LIKE / CONTAINS)では捉えられない意味的な類似性を発見できます。

AI_EMBED

テキスト(や画像)を埋め込みベクトルに変換する関数です(従来のEMBED_TEXT_768・EMBED_TEXT_1024の後継)。ベクトルの次元数はモデルで決まり、e5-base-v2なら768次元です。このベクトルをVECTOR型の列に格納し、コサイン類似度で検索します。

-- テキストのベクトル化と格納
CREATE TABLE knowledge_base (
  doc_id INT,
  content VARCHAR,
  content_vector VECTOR(FLOAT, 768)
);

INSERT INTO knowledge_base
SELECT
  doc_id,
  content,
  AI_EMBED('e5-base-v2', content) AS content_vector
FROM raw_documents;
-- コサイン類似度によるセマンティック検索
SELECT
  doc_id,
  content,
  VECTOR_COSINE_SIMILARITY(
    content_vector,
    AI_EMBED('e5-base-v2', 'Snowflakeの料金体系')
  ) AS similarity_score
FROM knowledge_base
ORDER BY similarity_score DESC
LIMIT 5;

RAGパターンの設計と実装

RAG(Retrieval-Augmented Generation)は、LLMにドメイン固有の知識を与えるアーキテクチャパターンです。 Gen AI試験では、Snowflake上でのRAG実装が重点的に出題されます。

RAGパイプラインの構成要素

  1. ドキュメントの取り込み:ステージからファイルをロード、またはテーブルからテキストを抽出
  2. チャンキング:テキストを適切な長さに分割。トークン制限とコンテキスト品質のバランスが重要
  3. ベクトル化:AI_EMBEDでチャンクをベクトルに変換し、VECTOR型カラムに格納
  4. 検索(Retrieval):ユーザーのクエリをベクトル化し、コサイン類似度で上位K件を取得
  5. 生成(Generation):取得したコンテキストをプロンプトに挿入し、AI_COMPLETEで回答を生成

Cortex Search Serviceの活用

Cortex Search Serviceを使うと、手動でEmbedding→Vector格納→類似度検索のパイプラインを構築する代わりに、 マネージドなセマンティック検索エンドポイントが提供されます。インデックスの自動更新やハイブリッド検索(キーワード+セマンティック)にも対応します。

-- Cortex Search Serviceの作成
CREATE CORTEX SEARCH SERVICE product_search
  ON content
  WAREHOUSE = compute_wh
  TARGET_LAG = '1 hour'
  AS (
    SELECT product_id, content, category
    FROM product_docs
  );

Cortex Analyst(自然言語→SQL)

Cortex Analystは、自然言語の質問をSQLに変換し、Snowflakeデータに対して回答を生成する機能です。 公式Study Guideには、セマンティックビュー(Semantic Views)とそのYAML仕様、Verified Query、Custom Instructionsが挙がっています。

  • セマンティックビュー:論理テーブル・ディメンション・ファクト・メトリクス・テーブル間の関係を定義するスキーマレベルのオブジェクト。公式ドキュメントが推奨する方法で、従来のセマンティックモデル(ステージ上のYAMLファイル)も互換のために使える
  • Verified Query Repository(VQR):正しいと確認した質問とSQLの組を登録しておき、似た質問に答えるときに使わせて精度を上げる仕組み
  • Streamlit in Snowflakeとの統合:チャットUIからCortex Analystを呼び出すアプリの構築

Streamlit in Snowflakeでのアプリ構築

Streamlit in Snowflake(SiS)は、Snowflake内でPython Streamlitアプリを実行する機能です。 Gen AI試験では、SiSを使ったチャットボットやRAGアプリの構築パターンが出題されます。

  • st.chat_input / st.chat_messageでチャットUIを構築
  • Snowpark sessionを通じてCortex AI Functionsを呼び出す
  • アプリのアクセス制御:RBACによるロールベースの公開範囲設定
  • SiSの制約:外部ネットワークアクセスにはExternal Access Integrationが必要

AI利用のガバナンス

生成AIの業務活用にはガバナンスが不可欠です。公式Study Guideのドメイン3.0(29%)には、次のような項目が挙がっています。

  • モデルへのアクセス制御:アカウントレベルの許可リスト(allowlist)パラメータ、RBAC、CORTEX_USERなどのロールで、使えるモデルや機能を制限する
  • データの安全性:クロスリージョン推論の扱い、ガードレール、AI_REDACTによる機密データの除去、ハルシネーションやバイアスを減らす方法
  • コスト管理:AI関数の料金は処理したトークン数で決まる。Resource Monitorで管理できるのはウェアハウスだけで、AIサービスの利用額は追跡できない(公式ドキュメントはBudgetsの利用を案内)。使用量はCORTEX_AISQL_USAGE_HISTORYやMETERING_DAILY_HISTORYなどのビューで確認する
  • AI Observability:評価指標・比較・トレースで生成AIアプリを評価する(TruLens SDKなど)

合格に向けた学習戦略

  • Snowflake無料トライアルでAI_COMPLETEなどを実際に呼び出し、レスポンスを確認(トライアルではAI機能が初期状態で無効で、使うにはクレジットカードの登録が必要)
  • Cortex Search Serviceのドキュメントを通読し、CREATE CORTEX SEARCH SERVICEの構文を暗記
  • RAGパターンをStreamlit in Snowflakeで実装するハンズオンを実施
  • Embeddingモデル(Cortex Searchの既定のsnowflake-arctic-embed-m-v1.5など)の特徴と選択基準を整理
  • Snowflake公式のGen AI Study Guideに記載されたすべてのドキュメントリンクを通読

問題で確認

SnowPro Specialty: Gen AI

問題 1

Snowflake上でRAG(Retrieval-Augmented Generation)パイプラインを構築する際、ドキュメントのベクトル化に使用する関数として最も適切なものはどれですか?

  1. AI_EMBED
  2. AI_COMPLETE
  3. AI_SUMMARIZE
  4. AI_TRANSLATE

正解: A

AI_EMBEDはテキスト(や画像)を埋め込みベクトルに変換する関数で、RAGパイプラインの検索(Retrieval)フェーズに必要です(従来のEMBED_TEXT_768の後継)。AI_COMPLETEはテキスト生成、AI_SUMMARIZEは要約、AI_TRANSLATEは翻訳の関数であり、ベクトル化には使用しません。

よくある質問

SnowPro Specialty Gen AI試験にPythonのコーディング問題はありますか?

コードを直接書かせる問題はありません(問題形式は単一選択と複数選択)。ただし、公式Study GuideのサンプルにはSQLを選択肢にした問題があり、学習項目にはStreamlit in Snowflakeのアプリコードからの呼び出しや、Model Registryでのモデルの登録・呼び出しも含まれます。AI_COMPLETEなどCortex AI Functionsの呼び出し構文は押さえておきましょう。

Cortex AIの機能はどのEditionで利用できますか?

公式ドキュメントのCortex AI Functions・Cortex Search・Cortex Analystのページには、Enterprise Edition以上といったEditionの条件は書かれていません。書かれている条件は、提供リージョン(対象外のリージョンではクロスリージョン推論を使う)と権限(USE AI FUNCTIONS権限と、CORTEX_USERなどのデータベースロール)です。なお、無料トライアルのアカウントではAI機能が初期状態で無効になっていて、使うにはクレジットカードの登録が必要です。

RAGパターンの出題はどの程度の深さですか?

Retrieval-Augmented Generation(RAG)の概念理解に加え、Snowflake上での実装パターンが問われます。具体的には、Cortex Searchで関連する文書を検索し、取得したコンテキストをAI_COMPLETE関数のプロンプトに埋め込む流れです。Embeddingモデルの選択やチャンクサイズも、公式Study Guideの学習項目(2.2)に入っています。

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この記事の著者

NicheeLab編集部

データエンジニアリング・クラウド資格の専門家。Databricks・Snowflake等の認定資格を保有し、実務経験に基づいた問題作成・解説を行っています。NicheeLab運営。


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